まず先に答えを言っちゃいますね。
玄米に含まれるアクリルアミドはポテチや揚げ物より遥かに少ないです。
玄米が有害なら、ほとんど全ての加熱食品が有害ということになります。
アクリルアミドとは?
アクリルアミドは水に溶けやすく、通常は白い粉のような化学物質です。
アクリルアミドは元々食べ物に使われるものではありません。
紙を強くしたり、土を固めたり、化粧品に含んだりして使用します。
それがなぜ食べ物に含まれるのか、それは調理方法に関係があるんです。
アクリルアミドと食品の関係
食品に関係なさそうなアクリルアミドですが、加熱料理によって発生することが研究によって分かりました。
(食品を加熱をするとアクリルアミド以外にも色々な物質が生成、分解されます)
炭水化物をたくさん含む食材を高温で加熱すると発生しやすいです。
2002年、スウェーデン政府は、ストックホルム大学と共同で行った研究の結果として、炭水化物を多く含む食材を高温で加熱した食品にmg/kg相当のアクリルアミドが生成されることを報告している(NFA2002、内閣府食品安全委員会2013、農林水産省2015b)。
評価書 加熱時に生じるアクリルアミド(食品安全委員会)(※5ページ目から)
アクリルアミドの人体への影響
このアクリルアミドは人体に有害な物質です。
国際がん研究機関( IARC : International Agency for Research on Cancer )による発がん性分類で2Aと分類されています。
2Aは上から2つ目の分類で、「人に対しておそらく発がん性がある」という評価です。
日本だけでなく国際機関でもアクリルアミドを減らすような取り組みをしています。
どういう食品にアクリルアミドが含まれているか
実は多くの人がアクリルアミドを何度も摂取しています。
おそらくあなたもその一人です。
アクリルアミドはポテトチップスやフライドポテト、かりんとう、ビスケット、揚げ物などに多く含まれているからです。
熱を使った料理には大なり小なりアクリルアミドは含まれるんですね。
アクリルアミドを全く摂取しない=火を通す料理を全く食べないということ。
アクリルアミドを完全に避けるのはおそらく無理ですが、摂取する量が少なければ影響は少ない。
問題になるのは摂取するアクリルアミドの量なんです。
結論:玄米を炊いて発生する量は気にしなくていい
「そんな危険な成分が含まれているなんて!」
「もう玄米なんて食べられないわ!」
そう思うのは仕方のないことかもしれません。
では玄米に含まれるアクリルアミドの量はどのくらいなんでしょうか?
調理加熱でも、「煮る」、「蒸す」、「ゆでる」は、水を利用した加熱調理であり、アクリルアミドはほとんどできないことが知られています。
水を使って炊く米に含まれるアクリルアミドは、焼き物や揚げ物に比べて遥かに少ないんです。
玄米のアクリルアミドを気にするなら、ポテトチップスや揚げ物を減らした方がよっぽど現実的ですよ。
アクリルアミドの発生を抑える玄米の炊き方
玄米を普通の圧力鍋で炊くと、アクリルアミドが通常より多く発生することがあります。
これは加熱する温度による影響です。
食品中のアクリルアミドは、食品の原材料に含まれているアミノ酸の一種であるアスパラギンが、揚げる、焼く、焙るなどの 120 °C以上の加熱により、果糖、ブドウ糖等の還元糖とアミノカルボニル反応(メイラード反応)と呼ばれる化学反応を起こす過程で生成することが知られ、これが主な生成経路であると考えられている。
「120℃以上の加熱」がアクリルアミドが多く発生する条件です。
普通の圧力鍋だと圧力の影響で温度が120℃を超えることがあり、それがアクリルアミドの発生量を増やします。
(水を使って炊いているので、深刻な影響とは言えませんが)
玄米の炊飯器を使えば温度を120℃以下にキープしながら玄米を炊くことができます。
