玄米に含まれる毒!?アブシシン酸(アブシジン酸)とは

実験風景玄米を知る

ユキ
玄米に含まれているアブシシン酸(アブシジン酸)が毒というのを聞いたんですけど…
ひかり
玄米にアブシシン酸が含まれているのは事実です。さっそくアブシシン酸について解説しますね。

 

一番最初に答えを言うと、玄米(や他の食べ物)に含まれる量なら、アブシシン酸は気にしなくてOKです!

アブシシン酸(旧名:アブシジン酸)とは

アブシシン酸(ABAと呼ばれています)は植物ホルモンの1種です。

植物が環境に適応するために、気孔を閉じる、乾燥に強くなる、種子を成熟・休眠させる等の作用があります。

色々な環境で植物が育つために重要なホルモンなんですね。

種子が発芽するのを防ぐ働き発芽抑制因子)を持っています。

アブシシン酸がないと成長できない場所で種から芽が出て、そのままダメになってしまいます。

アブシシン酸は何に含まれているの?

アブシシン酸は玄米だけじゃなく、植物ならほぼ例外なく含んでいます。

つまり私たちは日常的にアブシシン酸を口にしているんですね。

 

最近の研究では植物だけでなく、藻類、コケ、シダ、菌類、動物からもアブシシン酸が検出されています。

植物ホルモン・アブシシン酸の進化と機能植物ホルモン・アブシシン酸獲得のルーツ

植物ホルモンは種子植物に広く存在し,低濃度で生理活性や情報伝達を細胞間で行う物質である.なかでもアブシシン酸は気孔の閉鎖,種子の成熟,休眠に働き,特にストレス応答に重要である.近年,種子植物におけるアブシシン酸レセプターの実体が明らかにされ,シグナル伝達における分子機構の解明がめざましく進んでいる.一方で,種子植物以外でもシアノバクテリア,藻類,コケ,シダ,菌類,動物などからも相次いでアブシシン酸が検出されている.

2017 公益社団法人日本農芸化学会

アブシシン酸が毒と言われる原因

アブシシン酸が毒だと言われている理由は、2007年の論文「Abscisic acid is an endogenous cytokine in human granulocytes with cyclic ADP-ribose as second messenger」にあります。

 

この論文では、アブシシン酸が活性酸素を増やすという内容が書かれています。

論文の主旨は、アブシシン酸の働きを利用することで、新しい薬に利用できるかもしれないという内容です。

論文の中身をきちんと読むと複数のABA濃度で検証していますが、それこそ薬のように精製した超高濃度でのみ影響が出ています。

この濃度は、普通の食事からはまず摂取できません。

ギャル曾根さんみたいな大食い選手でも無理です(笑)

 

そして実験対象はヒトや動物ではなく細胞です。

ちなみに活性酸素=悪のようなイメージですが、活性酸素は体を守るための重要な機能を持っていて、私たちの体内には常に存在しています。

 

うん、ちょっと難しいですよね!

だから簡単に言うとこういうことです!

結論:食事で摂る量ならアブシシン酸は無害

有名人と玄米

異常な量のアブシジン酸(お茶碗数百杯レベル)を摂取しなければ活性酸素は増えません。

アブシシン酸は水に溶けて排出されるから、毎日の食事で体に溜まっていくことも考えにくいです。

アブシシン酸は玄米だけじゃなく、植物ならほぼ例外なく含んでいて、私たちは日常的に摂取しています。

玄米を含む穀物、野菜、果物を普通に食べる量なら、アブシシン酸を気にする必要はありません。

活性酸素と同じように、アブシシン酸も過剰な量が問題になるんですね。

アブシシン酸が活性酸素を増やすというのは嘘じゃないけど、少し大げさかなと思います。

補足:ミトコンドリアを傷つける?

玄米が毒だと言う人はみんな同じ表現なんですね。

口をそろえて「玄米にはアブシシン酸が含まれていて、それがミトコンドリアを傷つける」と言っています。

この説明は、上で紹介した英語の論文をすごく強引に解釈した表現です。

それをある時、とある誰かが主張したんですね。

 

健康に気をつけている人は情報に敏感です。

さらにインパクトの強い情報というのもありました。

「健康食品だと思っていた玄米が実はヤバい!?」

「ミトコンドリア!? 何それ、危なくない?」

みたいに広まってしまい、さも事実のようになっちゃったんですね。

それは科学的な根拠に欠けています。

 

アブシシン酸(Abscisic Acid、ABA)で情報を探しても、人体に有害という論文や記述は見つかりません。

「様々な果物が熟成するとアブシシン酸が増える」「抗炎症作用として薬に利用できるかも」などの報告は多数あります。

アブシシン酸の研究ターゲットは玄米よりも、植物・果実全般や薬品開発なんです。

アブシシン酸は発芽させると無害化する?

アブシシン酸は種をきちんと発芽させるためのホルモンです。

発芽した後はその働きを失います。

発芽した玄米ならアブシシン酸の影響はありません

アブシシン酸が気になるのであれば、玄米を発芽させればアブシシン酸の影響はなくなります。

だけど発芽してない玄米でも大した影響はないですよ。

発芽玄米よりも普通の玄米が好きという人は、気にせずに玄米を食べたらいいんです。

私が玄米を発芽、熟成させる理由

これはシンプルに栄養と味です。

発芽させればGABAが増え、ふっくらして、消化が良くなります。

熟成させれば甘くなり、食感が良くなります。

普通の玄米よりも熟成玄米がいいと考えているので、私は熟成玄米を食べています。

 

ひかり
アブシシン酸は玄米だけでなく野菜や果物にも含まれます。食事で摂る量であれば影響はほとんどありません。
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